研究にとって「優先権主張」は、数ある知財法の制度の中でも、比較的馴染み深い内容なのではないでしょうか('ω')ノ
「使ったことある!」
「よくわからんけど知財部から提案されたことある!」
という人も多いと思います('◇')ゞ
優先権主張制度とは、ざっくり言うと、
「基礎出願から1年以内であれば、基礎出願に追記して出し直しOK!」
「基礎出願に記載されている部分については、新規性や進歩性などの審査基準が基礎出願日になる!」
というものです。
要は「1年以内なら出願した内容に追記できるうえ、特許が通りやすくなる!」ということですかね('ω')ノ
しかも、特許の有効期間は「優先権主張出願の日から20年」となるため、基礎出願から考えると、事実上、特許の有効期間が最大1年延びることになります。
したがって、特許期間をできる限り長く確保したい場合においても、優先権主張はよく活用されています('◇')ゞ
基本的に優先権主張はメリットしかなく、使わない手は無いです('◇')ゞ
但し、デメリットはないものの、隠れた注意点は結構あるのです・・・(;'∀')
今回は、優先権主張における注意点を説明していきたいと思います('◇')ゞ
研究に知って欲しい「優先権主張」の注意点
いくつか研究に知っておいて欲しい注意点を記載します。
①優先権主張出願の出願のうち、基礎出願の当初明細書に記載されていない事項は、優先権主張日を基準として新規性、進歩性等が判断されます。
これは、つまり「基礎出願を適当に出して、優先権主張で後から追記しまくった場合、優先権主張の意味がほぼ無い」ことを示唆しています。
優先権主張は実務上、「仕事の先送り」の手段として使われるケースも多いです。
要は「(忙しくて面倒なので、)1年以内にデータ補強します」ということを理由に、特許を精査せず、適当に出願してしまうことです。
研究側の意識も、
「1年後の自分、任せた!( `ー´)ノ」
とか、
「実験データ出すのは1年後でいいや('Д')ハナホジー」
という感覚になりがちです。
・・・違います!!!
結局、追記事項は優先権出願日が権利発生日になるので、優先権主張をするにしても、早い方がいいのです!!!
このことをよく覚えておいてください('ω')ノ
ちなみに、知財部の担当が優先権主張ばっかりお勧めしてくる場合は、やや注意が必要です・・・
そいつ自身が面倒くさがりで、仕事を先延ばしにしたいだけかもしれませんよ(;'∀')
②追記はできるが、「削減」はあまりできない
これが意外と認識されていない事実です(;'∀')
研究の方は、「優先権主張は何でもかんでも追記・削減が出来る」と考えてる人が多いのです。
ただ、よく考えて下さい・・・
何でもかんでも記載内容を削減できるのなら、極端な話、
「あいうえお」と出願した後、優先権主張で「あいうえお」を削減し、欲しい権利範囲ついて改めて記載することも出来てしまいます。
これでOKなはずはありません(;'∀')
優先権出願というのは、あくまで「基礎出願がベース」になるのです。
基礎出願内容を多く削除したり、実施例を大幅に修正したりすると、「基礎出願がベース」とみなされなくなり、優先権主張が出来なくなるケースがあります。
なので、優先権主張は、大幅な書き直し前提では無く、「特許の審査を通す」ために使うものだと認識しておいてください。
実務上は、「実施例の追記」ぐらいがちょうどいいのです('ω')ノ
実施例の追記だと、権利範囲に影響を及ぼさないので、上記①も問題ありませんし、勿論②も関係ありません。
優先権主張頼りで出願を準備するのではなく、最初からある程度完成された明細書を作成することを心掛けましょう!
いかがだったでしょうか('◇')ゞ
研究の方にとって、少しでも勉強になれば幸いです。
兎にも角にも、日頃からわからないことがあれば「すぐに知財部に相談する」ことができるような人間関係作りをしておくことが重要です。
知財部と密なコミュニケーションをとり、より良い出願を行っていきましょう('ω')ノ
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。
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