化学系知財部の進境

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【知的財産】パリ条約とPCTの違いについて

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 皆さんこんにちは!

 

今回は、外国に特許出願する際に必ずお世話になるパリ条約PCT出願について、その違い、選択方法などを紹介していきたいと思います!

 

 

 

 

外国特許出願の種類

  まず、外国出願は大きく分けて下記3つのルートがあります。

①    各国へ直接出願(基礎出願無し)

②    パリ条約を利用した各国へ出願(基礎出願あり)

③    PCTを利用して各国へ出願(基礎あり/なしどちらも可)

 

 

①各国へ直接出願(基礎出願無し)

 ・ 直接出願は、権利の取得を希望する国の特許庁に、その国の国内法に基づき、その国の言語で出願書類を作成し、出願する必要があります。

 

一つひとつ法律の確認、翻訳、出願なんて、めんどくさ過ぎてやっていられませんよね!!

また、特許は先願主義であることから、一つの出願にあまり時間・手間をかけることは好ましくありません。

ですので、一般的に外国出願する際は、次に紹介するパリ条約PCT出願を選択するのが一般的なのです。

  

②パリ出願

 ・基礎出願(日本出願)から1年以内に外国出願を行う

⇒パリ条約には優先権出願が認められており、基礎出願から1年以内であれば、特許性の判断基準は基礎出願日となる

・台湾にもパリ優先権OK

⇒本来、台湾はパリ条約非加盟であるが、日本と台湾の相互主義によりパリ出願と同様の効果が認められている

 

パリ出願のメリット

PCT出願よりも早期権利化が図れる

・1、2か国出願の場合、PCTよりもローコスト

 

パリ出願のデメリット

・読めない言語の文献が引例になる可能性がある

・基礎出願から1年以内に外国出願をしなければならない

・翻訳出願が基準となるため、誤訳問題が生じる

・PCTの国際調査報告書のような特許性判断資料提供がない


③PCT出願

 ・PCT出願とは、「PCT(特許協力条約)に基づく国際出願をすると、PCT加盟国全てに出願したのと同様の効果が与えられる出願制度(権利化の判断は各国特許庁が実施)」のことです

・PCT出願は日本語で作成可能です

・各国移行(翻訳文提出)の提出まで時間的なゆとりが得られる

 (特許は先願主義であるため、早く出願できることは非常に重要!)

 

 

PCT出願のメリット

・優先日から30か月の長い猶予期間が得られる

・自国の特許庁相手に手続きを行うため、問い合わせ等が容易

・国際調査報告書のような特許性判断資料提供がある

・特許取得の可能性を公知にせず取得し、出願を放棄することが可能

⇒見解書だけ貰って取り下げることにより、公知にせずにある程度の特許性の判断が可能となります。

・出願にかかる初期投資が少なく、コストの先送りが可能

・日本語明細がベースとなるため、誤訳問題への対処が容易

 ⇒日本語の特許という証拠が残る!

 

PCT出願のデメリット

・審査請求国が同じであれば、パリルートよりも1件あたりの経費が高い

・PCT非加盟国(台湾など)には出願できないので注意が必要

 

 

パリ出願、PCT出願の選び方

パリ出願

 早期段階で外国出願する出願国が定まっており少数の国で早期権利化を望む場合

 

PCT出願

早期段階で外国出願する出願国が定まっておらず、多数の国に出願希望の場合

 

 

まとめ

お金に余裕があるのなら、PCT!

これが最も選択肢が広く、後から対応しやすくなります。

 

ちなみに。。。
パリ出願+PCT出願も可能です。

まず日本に出願し、その後1年以内に国内及びパリ条約の優先権主張によりPCT出願する。

⇒実務上、これが最も一般的ですね(^o^)/

 

 

いかがだったでしょうか。

外国出願する際の参考になれば幸いです( *´艸`)

 

それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

また宜しくお願いします!

 

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